【東京都町田市様】ガバメントクラウド早期移行団体検証事業へ応募 ガバメントクラウドへの移行と展望
東京都の多摩地域南部に位置し、緑豊かな自然に囲まれた町田市。
JR横浜線、小田急小田原線、東急田園都市線、京王相模原線と複数の路線が乗り入れており、渋谷や新宿、横浜などと電車で30~40分程度で行き来することができます。
このアクセスの良さもあり、市内には多くの大学が点在し、学園都市としても知られています。
町田市では、令和3(2021)年度に「町田市デジタル化総合戦略2021」を策定して以降、毎年更新しながらDXを推進しています。
すでに市民へのサービス提供が開始されている、LINE(ライン)やGraffer(グラファー)を活用したオンライン行政手続きでは、利用者アンケートにご回答いただいた方のうち約9割から高評価を得ているそうです。
「町田市デジタル化総合戦略2023」では、誰一人取り残さないよう、市民にとってシンプルでわかりやすいサービスデザインの実現に向けて、「クラウドサービスへのシフト」「20の基幹業務システムの標準化」などに、引き続き取り組んでいます。
今回は、デジタル庁が募集する「ガバメントクラウド早期移行団体検証事業」へ応募し、「福祉総合システム」や「税総合システム」のガバメントクラウドへの移行を成功させた経緯や具体的な流れなどについて、お話を伺いました。
- 人口:43万380人
- 世帯数:20万6,953世帯
【背景】自治体として一早くクラウド化に取り組み、利活用できる環境を整えていた
間宮様:町田市では、「デジタル化総合戦略2021」に基づき、2021年度からプライベートクラウドからパブリッククラウドへのシフトを進めておりました。
この取組を進める中で、デジタル庁からパブリッククラウドを活用した「ガバメントクラウド早期移行団体検証事業」の募集があり、市の取組と、国の取組の方向性が合致していたことから、この検証事業に応募しました。
髙木様:もともと、アイネス社の提供する「福祉総合システム」「税総合システム」は、利用する職員数も多く、ガバメントクラウドへの移行は、影響が大きいと考えていました。
「ガバメントクラウド早期移行団体検証事業」への参加について、アイネス社の担当者に相談したところ、協力的な姿勢を見せてくれました。実は、ほかのシステムでも移行を検討したのですが、ベンダーさんに伝えたところ消極的だったため、そちらは実現できなかったという経緯もあります。
摩尼様:そもそも、町田市が初めてオンプレミス環境からのクラウド化を行ったのは、平成23(2011)年のことで、市庁舎を移転するタイミングでした。当時、民間企業ではクラウド化が流行していたものの、自治体で取り組むところは、まだほとんどありませんでした。
当時、町田市とお付き合いのある他のベンダーさんはクラウド化には後ろ向きだったのですが、アイネス社はソフトウェアベンダーであることも手伝って、積極的に対応してくれました。その時からアイネス社の、新しい環境に対してチャレンジする姿勢は変わっていないと思います。
【導入】「福祉総合システム」「税総合システム」をガバメントクラウドへ移行
髙木様:移行プロジェクトは、税務の閑散期ともいえる10~11月に本番運用が開始できるように、令和5(2023)年3月にスタートし、「福祉総合システム」が令和5(2023)年10月、「税総合システム」は令和5(2023)年11月に完了しました。
データ移行においては、データ量が多かったため、町田市の移行環境だけでなく、アイネス社の環境も利用しました。
岩田様:これまでは、ベンダークラウドであっても、ハードディスクの持ち込みによって、大量データの移行が可能でした。しかし、ガバメントクラウド(AWS)はネットワーク接続でしかデータを移行できません。このため、移行のためのネットワークをどのように整備し、接続して移行するのかに苦心しました。初めての経験でしたので、手探りでしたね。
【成果・展望】サーバーのスペック向上に伴い、バッチ処理が速くなった
髙木様:ガバメントクラウドへ移行後、運用を開始しましたが、使い勝手やレスポンスはオンプレミスとの違いを意識することなく利用できており、安心しています。
また、移行によってサーバーのスペックが向上しました。現場の担当者へヒアリングしたところ、バッチ処理が速くなったと聞いています。頻繁に利用する課税時期の作業時間軽減に寄与するのではないかと期待しているところです。
間宮様:アイネス社には、町田市の仮想化基盤の移行実績を踏まえて、移行手順を迅速に確定していただきました。短い期限の中で迅速かつ確実に移行作業を行ってもらえた点に感謝しています。
「福祉総合システム」の移行作業を先行して実施し、移行作業における懸念点・勘所を把握した上で、「税総合システム」の移行がスムーズに行えた点も評価しています。
岩田様:今回、実際にガバメントクラウドへの移行を経験してみて、ネットワーク接続のみでのデータ移行は、環境の準備も含め、ハードルが高いと感じました。ガバメントクラウドは、媒体を利用してデータ移行することが難しい環境であることを考慮し、データ移行する環境や容量を正確に把握した上で、移行スケジュールの検討を行うことがポイントになると思います。
摩尼様:多くのシステムをガバメントクラウドに移行していく中で、本番の業務が行われているネットワークを利用して移行しなければならないことも起きてくるはずです。
これまでは、ベンダーごとにネットワークを引くことでこの問題を回避してきましたが、ガバメントクラウドではネットワークは集約されますので、各ベンダーとの移行時期の調整が必須になると思います。
間宮様:このほかにアイネス社に期待することとして、運用管理補助事業者として業務運用のサポート、障害の検知と迅速な対応をお願いしたいです。
今後は、ガバメントクラウドの利用コストの縮減が課題になってきますので、稼働時間の調整等による適正なコスト負担での利用ができるよう、ご提案いただきたいです。
また、標準化の対応に関しては、2025年度までの移行だけでなく、業務のBPRなどきめ細やかなご支援を期待します。
また、下記のプレスリリースも併せてご覧ください。
WebRings福祉総合システムの標準化対応とガバメントクラウドへ対応強化について
【お問い合せ先】
今回、ご紹介しましたアイネスの「WebRings(ウェブリングス)」について、以下のよりご覧いただけます。
より詳しい内容をお知りになりたい方は、以下よりお問い合わせください。