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【埼玉県八潮市様】3層分離ネットワークの業務を1台の端末に集約 庁舎新設に合わせ、効率化と省スペースを実現

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【埼玉県八潮市様】3層分離ネットワークの業務を1台の端末に集約 庁舎新設に合わせ、効率化と省スペースを実現

埼玉県南東部に位置する八潮市。
中川、綾瀬川など多くの河川に囲まれていることから、近世には江戸に物資を運ぶ水運の拠点として発展し、明治の近代化とともに製造業が盛んになりました。昭和の高度成長期以降、東京のベッドタウンとしても成長してきましたが、平成17(2005)年8月、つくばエクスプレスの八潮駅が開業したことで、都心へのアクセスが劇的に改善しました。その当時、約7万4000人だった人口は令和7(2025)年3月時点で約9万4000人まで増えています。
市は、増大する行政需要に対応しようと、老朽化した市庁舎の建て替えを進め、令和6(2024)年1月に新庁舎をオープンさせました。「住みやすさナンバー1のまち 八潮」をキャッチフレーズに掲げる市は、市民の利便性向上と職員の働きやすさを両立できる庁舎を目指しました。
その一環として、庁内業務の効率化を図る目的から「リモートPCアレイ」を導入いただきました。そこで今回、導入いただくまでの経緯と導入後の効果などについてご担当者にお話をうかがいました。

【八潮市基本DATA】(令和7年3月1日現在)

【八潮市基本DATA】(令和7年2月1日現在)
  • 人口:9万3,543人
  • 世帯数:4万7,099世帯

【課題】
3層分離ネットワークでのバックオフィス効率化

八潮市では、令和6年1月に新庁舎を開庁。これを機に、転入・転出や各種証明書の申請などの際、市民が記入しなければならない書類を最小限に抑えた「書かない窓口」を導入するなど、市民の利便性向上に向けた改革を実施しました。
一方、バックオフィスでも職員の業務効率化を目指しました。ただ、多くの自治体は国のセキュリティーポリシーに沿って庁内のネットワークを「マイナンバー利用事務系」「LGWAN接続系」「インターネット接続系」の3層に分離した形で運用しています。さらに、この3層に属さないネットワークを別系統として運用しているケースもあります。八潮市でも旧庁舎では別々のネットワークに接続された端末を使い分けながら業務を処理する職員が多く、新庁舎での「働きやすさ」を実現する上で大きな課題となっていました。

Q.導入前に抱えていた課題について、教えてください。

譜久山様:新庁舎のコンセプトの中に、職員が業務に合わせて適切な場所へ移動して業務を行えるようなレイアウトとすることが掲げられています。このことから、普段使用する事務スペースの他に打ち合わせや作業に集中するためのスペースを設けることになりました。また、旧庁舎では職員1人が1台ずつの事務机を使用していましたが、新庁舎では長机を数名で使用するスタイルに変更することとなり、1人あたりが使用できる机の面積がひと回り小さくなることとなりました。

そうなると、職員が日々の業務に使用するパソコンが問題になってきます。というのも、インターネット、LGWAN、マイナンバー利用事務系のネットワークで3層分離を実現するためには、素直に考えると、3台のパソコンを今までより狭い机の上に並べて業務を行う必要があり、業務の効率が落ちる懸念がありました。

当市では数年前から、インターネットにアクセスする方法として仮想ブラウザを利用していて、机の上に設置するパソコンを減らすよう取り組んでいました。新庁舎への引っ越しを機に、マイナンバー利用事務系についてもこれと同じことができないだろうか、と思ったところが今回のスタートラインとなります。

【導入】
当初は仮想デスクトップ(VDI)も検討対象に

八潮市は当初、新庁舎への移設を機にマイナンバー利用事務系として仮想デスクトップ(VDI)を利用、一台のパソコンで複数のネットワークを扱える環境の構築を検討していました。
しかし、全職員を対象にしたVDI導入は、コストなどの問題から断念。そこで以前、テレワーク導入のソリューションとして提案を受けた「リモートPCアレイ」の活用について検討を重ねました。

Q.「リモートPCアレイ」を導入いただくまでの経緯は、どのようなものでしたか?

譜久山様:新庁舎への移転時期と今まで使用していたパソコンのリース契約の更新時期を合わせていたため、ガラッと運用方針を変えるには良いタイミングでした。このような前提があったため、マイナンバー系パソコンの入れ替え方針の候補として仮想デスクトップ(VDI)が挙がっていましたが、当市の規模でのVDI導入はコストパフォーマンスの観点から断念しました。

その時、少し前にアイネスさんから提案いただいた「リモートPCアレイ」のことを思い出したのです。当時はテレワークを目的とした活用方法としてご提案いただきましたが、導入を見送った経緯があります。

ただ、印象としては良いソリューションだなと感じていました。そこで、担当内で「使い方によっては、マイナンバー利用事務系でも使えるのではないか?」との話になり、アイネスさんへ相談したところ、技術的にも費用的にも現実的であることが分かりました。

もともと、当市の基幹系業務システムはアイネスさんにお願いしているので、平時からトラブル時までの運用保守を依頼可能となる点も「リモートPCアレイ」を採用する決め手の一つになりました。
導入後の保守を含め、令和6年1月の新庁舎稼働のタイミングで運用を開始しました。

【成果】
3層分離ネットワークでもパソコン1台で業務が効率化

「リモートPCアレイ」は、小型のパソコンとして機能するカートリッジがサーバーラック1U分の引き出しに敷き詰められています。そのカートリッジに対して職員がデスクで使っているパソコンからリモートでアクセスすることにより、異なるネットワークの事務を処理できるようになるイメージです。
新庁舎への引っ越しを経て、ほとんどの職員はパソコン1台で仕事ができるようになりました。故障への対応もスムーズに行われています。

Q.導入されて、どのような成果がありましたか?

譜久山様:導入前の懸念点として、故障したときの対応がどのようになるのかが気になっていました。この点について、事前にアイネスさんから教えていただき、ラックの中にあるカートリッジのうち、1台が故障した場合、故障したカートリッジだけを交換する部分的な修理が可能であることが分かりました。実際、導入後に2回ほどカートリッジの故障がありましたが、ホットスワップでの交換を行えたため、復旧まで極めてスムーズに対応することができました。

また、情報部門が管理していない個別のネットワークを使用している場合を除き、多くの職員が使用する業務システムについては、LGWAN系ネットワークのパソコン1台で取り扱うことができるようになりました。

樋口様:導入前は、「RDP(Remote Desktop Protocol)に不慣れな職員が「リモートPCアレイ」を戸惑わずに操作できるのか?」といった不安がありました。そのため、PCアレイへの接続方法の説明資料やPCアレイ側の壁紙を変更するなどの対策を重ねたうえで運用を開始しましたが、いざ稼働してみると、想定していたよりも操作方法の問い合わせはなく、良い意味で想定外でした。

八潮市様

「リモートPCアレイ」のデスクトップ画面に設定している壁紙

八潮市様
「リモートPCアレイ」導入イメージ

樋口様:導入から8ヵ月以上が経ちましたが、故障の対応も迅速で安定的に運用できています。現場の職員から不具合の連絡を受けた際は、一度私たちが確認し、必要に応じてカートリッジの再起動を試した上で、状況が改善しない場合にアイネスさんの保守担当に連絡し、修理が必要となった場合でも、2~3営業日で対応していただいています。

【展望】
稼働率を調査して最適化を テレワークへの活用も視野に

現在、利用中の「リモートPCアレイ」は、部署によって稼働率に差があるため、実態を調査した上で、稼働率の低いリソースを新規採用職員へ回すといった最適化に取り組みたいと考えています。
また、テレワークでの利用も検討していきたいと考えています。

Q.「リモートPCアレイ」を活用した今後の展望があれば、教えてください。

譜久山様:部署によって、LGWAN系とマイナンバー利用事務系パソコンの利用比率は大きく異なります。一部の部署では、「リモートPCアレイ」の稼働率が低いため、新たにPCアレイが必要になる部署に回すなど、効率的な運用を進めたいと考えています。現在は、これに向けて利用率を調べている段階です。

また、現在は異動の際に元の部署にパソコンを置いていってもらうという運用を行っています。これは、一部パソコンにインストールされているシステムとその部署の業務に紐づいているためなのですが、この運用方法だと、ユーザーライセンスの方式をとっているソフトの運用がうまくいきません。これを解消するため、「リモートPCアレイ」に部署ごとの個別システムをインストールすることで効率的な運用ができるのではないかと考えているところです。これによって、パソコンが業務に紐づく状態から解放されるので、職員がパソコンと一緒に異動してくれる状態となり、問題が解消されるのではないかと考えています。

あとは、アイネスさんから当初ご提案いただいたテレワークへの活用も検討していきたいですね。

私たちが「リモートPCアレイ」というソリューションを知らなければ、新庁舎開庁後も、これまでのようにデスク上に2~3台のパソコンを並べて業務に取り組まなくてはならない状況になっていた可能性があります。アイネスさんからは、これからも良いソリューションや活用方法があれば、引き続き教えていただきたいと思います。

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八潮市様の担当者より

八潮市様ではネットワークごとに端末(パソコン)を用意されており、業務が煩雑になっているという課題をお持ちでした。新庁舎移転のタイミングで、令和5年度に「リモートPCアレイ」の導入をご検討いただきました。

「リモートPCアレイ」上に各ネットワーク用の端末を用意し、手元端末からそれぞれに接続することで、デスク上の端末数を削減することが可能だというご提案させていただきました。同時に、一般的なVDIも提案しましたが、比較検討の上、構築期間が短く、コスト面で優位だったこと、拡張がしやすい点などから「リモートPCアレイ」をお選びいただきました。

VDIと比較した場合の「リモートPCアレイ」の主な導入メリットは、次の5点です。

設計・構築期間とコストの短縮:一般的なVDI導入に比べて、設計構築期間が約1/3に短縮、コストを約30から50%削減ができます。
安定運用・簡易な管理:複雑な設計ではないため、導入後は安定して運用ができ、管理も簡単です。
セキュリティの強化:セキュリティリスクを最小限に抑えるために、端末にデータを保持しない「リモートPCアレイ」の特性を活用し、情報漏洩防止策としての導入を進めることができます。特に、機密情報を扱う業務での利用が推奨されます。
段階的な拡張:必要に応じて端末数を柔軟に増減できる「リモートPCアレイ」の特性を活かし、最初は小規模な導入から始め、徐々に拡張することで、自治体の状況に応じたITインフラの拡張を行うことができます。(10台など少ない端末数から始めて、短納期・低コストで拡張が可能)
災害対策や事業継続計画(BCP)の一環としての活用:物理的なPCに依存しないため、災害時や緊急事態においても業務継続を支えるインフラとして「リモートPCアレイ」を位置づけることが可能です。

八潮市様では、7ヵ月程の導入期間を経て、新庁舎の開庁と同時に運用を開始されました。導入段階では当社側で行う作業がメインでしたが、八潮市様にも独自の管理コンソール機能に慣れていただくために、レクチャーをさせていただきました。ただ、慣れれば難しいこともないため、操作を覚えていくことで自然と解決できました。

運用開始後は、端末の集約により業務スペースの確保が出来た点が最も喜ばれた点であると認識しています。
また、管理者側の観点で煩雑ではなく扱いやすいとお話を伺っています。

八潮市様では現在、基幹系・福祉系業務に利用している情報システムを、国が定めた標準準拠システムに移行されることが最優先事項と伺っております。安全、安心なシステム移行に向けて、引き続きサポートさせていただきます。

【お問い合せ先】
今回、ご紹介しましたアイネスの「リモートPCアレイ」について、より詳しい内容をお知りになりたい方は、下記からお問い合わせください。

より詳しい内容をお知りになりたい方は、以下よりお問い合わせください。

※ 本文に掲載されている会社名・団体名および製品名は各社または団体等の商標または登録商標です。

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