住民相談業務のDXに向けて豊田市との共同研究を開始
~「AI相談パートナー」におけるデータ活用方法を検証~
株式会社アイネス(代表取締役社長:吉村晃一、以下 アイネス)は、株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:森崎孝、以下 MRI)とともに、2021年4月から自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」の本格的なサービス提供を開始しています。
このたび、「AI相談パートナー」のデータ分析機能を強化するため、愛知県豊田市と住民相談業務のデジタル・トランスフォーメーション(以下 DX)の実現に向けた共同研究の協定を締結しました。この共同研究は、自治体DXを推進するうえで、全国でも先駆的な取り組みとなります。
1. 共同研究の背景
2040年問題として想定される自治体職員数の減少、コロナ禍および高齢化の影響に伴う住民相談の件数増加、さらにはダブルケア・8050問題に見られるように相談内容の複雑化・複合化が社会的な課題となっています。
アイネス、MRI、および日本ビジネスシステム株式会社(代表取締役社長:牧田幸弘)は、Region-Tech構想※に取り組み、その一環として「AI相談パートナー」を提供、現在20団体以上にご利用いただいています。「AI相談パートナー」は、音声認識やデータ分析などのAI(人工知能)技術を用いて、子育て相談や生活困窮者相談など住民相談業務に対応する自治体職員を支援するサービスです。会話の自動テキスト化(文字起こし)機能、職員支援ガイダンス表示機能、記録票作成サポート機能等で構成されています。
豊田市は、厚生労働省主催「地域共生社会フォーラム」において、2018年度は最優秀賞、2019年度は優秀賞を受賞しており、「包括的な相談・支援体制の構築」や「地域住民の身近な地域へ福祉の相談窓口を設置」するなどの先進的な取り組みを行っています。また、2022年度から重層的支援体制推進事業を開始し、市および支援機関等が連携して相談支援を進める中で、相談窓口の現場では、ベテラン職員の知識やノウハウの継承、相談件数の増加による相談記録作成の負担増大が課題となっており、2021年2月に策定された「豊田市デジタル強靭化戦略」では、重点事業の一つとして「AIの活用:福祉に関する相談支援の体制の構築」を掲げています。
※「Region-Tech」構想の概要
「Region-Tech」構想は、自治体における「住民とのコミュニケーションのデジタル化」の促進により、地域課題を解決し、持続可能な地域づくりを目指すものです。住民による問い合わせ・相談から、申請・届出、さらに行政内部での審査に至るまでをデジタル化し、データ活用による住民サービスの改善や行政施策の立案など自治体DXを推進します。
2.共同研究の概要
アイネスとMRIが、豊田市と行う「AI相談パートナー」共同研究の概要は、次のとおりです。
・目 的:福祉サービスの効率的かつ効果的な提供と職員の事務負担の軽減を目的に、住民からの相談にAIを用いて対応するサービスの効果検証および必要なICT・AI機能の検討
・対象業務:福祉相談窓口業務、子育て相談窓口業務
・期 間:2021年7月14日~2022年3月31日(住民を対象とした相談業務での利用は、8月26日に開始)
共同研究を通じ「AI相談パートナー」の操作性向上と新たな機能拡充を実現し、住民相談業務のDXを実現するサービスへと進化することを目指します。この結果、自治体の住民相談業務のサービス水準向上、自治体職員の働き方改革を加速することが期待されます。
具体的には、豊田市福祉総合相談課と子ども家庭課の窓口で「AI相談パートナー」を利用します。住民からの福祉や子育て相談等の内容を発言内容から自動テキスト化するとともに、AIが相談内容を分析・判断しながら的確な支援サービス候補を職員に提案することで、自治体職員の業務を効率化します。また、利用結果の分析を通じAIの学習を効果的に行い、AIによる提案レベルの向上に貢献します。
図:「AI相談パートナー」による住民相談業務のDX像 |
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3.今後の展開
アイネスおよびMRIでは、今後も社会課題の解決を支援するため、自治体向け「AI相談パートナー」のサービス機能の拡充を予定しています。特に、地域共生社会の実現に求められる福祉総合相談窓口での活用、AI機能の適用範囲拡充を重点的に進めます。住民相談業務以外でも、自治体業務の効率化・高度化をICT・AIで支援することで自治体DXを推進し、持続可能な自治体経営の実現に貢献します。
>「AI相談パートナー」について https://www.ines.co.jp/service/ai-consultation-partner.html
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社アイネス
〒104-0053 東京都中央区晴海3-10-1
【サービスに関するお問い合わせ】
デジタル・トランスフォーメーション本部 DX推進部
メール:koukyo-eigyo@ines.co.jp
【取材に関するお問い合わせ】
企画部 企画・広報IR課
メール:koho@ines.co.jp
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